
学生時代の友達T(♂)が結婚するという手紙が来た。
それでいつか書いてみようと思っていた話を書いてみたいと思う。
今から5年ほど前、前世紀の話になってしまうのだが、俺たちはそれぞれの彼女を連れて、4人で卒業旅行にヨーロッパに行った。
パリから入ってミュンヘンから出る、途中は結構適当にというコース。
俺とTは車バカだったのでアウトバーンでBMWに乗るというのが楽しみだった。
ケルンでレンタカーを借りて、ロマンチック街道へ向かう途中だったと思う、Tの彼女のヨウコが強く主張した温泉に寄ることになった。
ドイツの温泉というと混浴、というのは結構有名だけど、実際は水着で入ったり、時間や曜日によって男女別というところが多いようで、俺たちが選んだのもそんな温泉の一つで、もちろんその日は混浴ではないはずだった。
ところが実際はそうではなかったから、ここで書くことが出来る。
おかしいと思ったのは、入り口でお金を払って中にはいったあと、置いてあった英語版のパンフレットをパラパラと見ていたときだった。
だが、有名なあのガイドブックと俺たちの英語力、どちらを信じるかは微妙だったし、わかったところいまさらお金を返してくれとも言えない、気弱な日本人の俺たちには選択肢は無かった。
まあそのときはその時だ、みんなサウナで話しでもしようと、タオルを巻いた男女がわざとらしく話をしているパンフ(いまでも手元にある)を見ながら、結局そのまま男女別に入り口へ行った。
普通なら俺は自分の彼女のバスタオル姿を他人に見せるのは嫌だったし、Tも同様だったと思う。
もちろん彼女らもそうだろう。
だけど、そのときはなんとなく勢いがあった。
旅の恥は・・・というのはああいうのを言うんだろう。
まあ、もともとヨウコは真面目だがノリの良い女だったし、結構面識もある。
一方俺の彼女のマリは他大だったので、あとの二人とは数回会っただけだった。
それでもみんな旅行の間にはかなり親しくなっていたし、そういうガードも緩くなっていたんだろう、夜四人で部屋で飲むときなんかも、パジャマの下はノーブラだったし、パンチラみたいなのも何度もあった。
車代の分ホテルをケチったためだろうか、隣同士の部屋では、ヨウコたちのHの声や、物音が聞こえてくることまであった。
なんというか、あけっぴろげな雰囲気があったし、それが楽しかったんだな。
まあそんなわけで俺とTは二人で中に入っていったんだが、内容は簡単に言って、サウナとぬるい温泉とシャワーとを、白衣の兄ちゃんの指示にしたがって順番に巡る感じ。
あとはオプションで頼んだマッサージを受けるだけ。
ただその間にタオルを取らなければいけないことが多くて結構恥ずかしい。
さらに、次の部屋に移動するたびに「混浴なのではないか?」という不安と期待がつきまとう。
このときの俺の感情はうまく言い表しにくい。
正直に言って俺はヨウコの裸を見てみたいという思いはあった。
マリのことはもちろん可愛いと思っていたし、ひとから言われれば自慢に思ってもいたけれど、ヨウコはタイプの違う美人系で、Tには悪いが男として期待しないわけにはいかなかった。
一方、そうなればマリの姿もTに見られる。
タオルは大きかったけど、全裸にそれだけという姿を自分以外に見られるのは抵抗があるに決まっている。
マッサージを受けながら、そんなことを色々と考えていた。
ときおり女性らしき外国語が聞こえてきて、どきどきしていたのをよく覚えている。
さて、マッサージのあとだったと思うんだけど、係員にタオルを取り上げられてしまう、まさに有無を言わせずという感じ。
で、言われるままに次の部屋へは全裸で移動、はっきりいって恥ずかしいし、万が一ここでマリたちに会ったらと、ものすごく緊張した。
するといきなり全裸の金髪女性が台の上に座っているのに出くわす。
呆気にとられてそそくさと隅っこにいくと、こっちは視線を外そうとしているのに、向こうがジロジロと見てくる。
マリ達のすがたは無い、安心と失望感。
二つ繋がったサウナの部屋で、部屋の中には全裸の男が多数と、女性は先の彼女だけだったと思う。
次の部屋はまた温泉。
タオルは返してもらえなかった。
小さなプールのようなかなり温いお湯に、また女性が数名。
お互い隠しようがないサウナよりは、水の中の方が幾分落ち着いたけど、それでもやっぱり緊張する。
舞い上がっていたせいか、Tと何話していたかよく覚えていない。
タオルをいつ返してくれるのか、とかそんな話だったような気がする。
なにせ周りは老若男女を問わずに全裸で、しかも誰も隠そうともしない。
その次にようやくガイドブックで見た、大きくて立派な風呂(プールかな?)の部屋。
やっぱりここでもみんな全裸だった。
天井も高くだだっぴろいところで全裸っていうのは、慣れていない俺にはものすごく落ち着かなかった。
日本の温泉だって手ぬぐいぐらいは持ってるもんだ。
その場の雰囲気的に隠して歩いたりすることも出来ず、全裸の女性とも平気ですれ違って、奥の方の湯船に向かっていくのだけれど、その途中で不必要に大声の日本語が聞こえた。
男の声だった。
声から感じる不快感というものはあったんだが、日本語が珍しかったのでなんとなくそちらをのぞきに行った。
その時の光景は強烈に覚えている。
プールをはさんだ向かい側に、さっきまで俺たちが入っていたのと、同じぐらいの大きさの温泉の部屋があった。
深めの湯船の、向こう側のへりを向くようにして、マリとヨウコが二人で並んでお湯の中にいた。
すぐ近くに先ほどの声の主とおぼしき男が二人、一人はマリたちに並んでへりに腕をかけ、もう一人は、その周囲を歩いたり泳いだりしながら行ったり来たりしていた。
いまでも、映画とかで鮫が獲物の周りをぐるぐる回って泳いでいるのを見ると思い出す、ちょうどそんな印象だ。
そしてやっぱりみんな全裸だった。
マリもヨウコも身体の前を隠すように向こうを向いていたが、部屋の中はかなり明るく、上からは彼女らのお尻の割れ目が、揺れる水面越しにはっきりと見えた。
最初に気が付いたのが誰だったか覚えていないけれど、とりあえず俺たちはみんなお湯の中に入って世間話をした。
その間、マリとヨウコは両腕と湯船のへりとで身体を必死に隠していた。
彼女たちは俺たちが来て明らかにほっとしていたし、俺たちは、お互いよりもさらに「彼女の裸を見せたくない相手」が登場したことで、自然と共同戦線を張ることになった。
彼らの視線を妨げるようにしてマリの横に並ぶと、彼女の裸の身体がはっきりと分かった。
男二人はやっぱり卒業旅行の学生で、たしか九州の方から来たと言っていたと思う、なんというか・・・いや、はっきり言って、この時点ですでに不快なタイプだった。
自分の彼女の裸を見られて悔しかったというのもあるだろうけれど、みんなが静かに休息をしている場所で、彼らの声の大きさがとても不愉快だった。
実際、そのうちに係員に静かにしろと英語で注意されたりして、マリ達は次の湯船に移るという話を始めた。
問題はもちろん、どうやってこの湯船から彼女たちを脱出させるかと言うことだったのだけれど、それについてはヨウコが解決した。
毅然とした態度でこう言ったのだ。
「はい男性陣、回れ右」
水音がしたあと、しばらくして彼女たちが出口の向こうから声をかけた。
それまでのあいだ、あの二人が目を必死に動かして彼女たちを見ようとしていたのも気にくわなかった。
案のじょう、女性がいなくなると彼らは後を追いたいというようにそわそわとし始めたので、こちらが機先を制して、Tをうながして彼女たちの方へ移動することにした。
彼らについてこられないように意地悪く言った言葉は、確かこんな感じだったと思う、
「もうあちら(奥の湯船)には行かれたんですよね?僕らまだなんで、お先にでます・・・では、いい旅を」
このときの気分は爽快だった。
まあ、そんなわけで僕とTは奥の湯船に移動していった。
奥の湯船は寝て入るような浅さで、ジャグジーみたいな泡がぶくぶくと出てきていた。
そんな泡の中に寝ころんで小声で話していたマリ達は、一瞬会話をやめて固まったあと、奴らがついてきていないのを確認して手招きした。
前を隠すべきかどうか悩んだが、さっきの騒ぎでもうどうでもよくなった俺たちは、素っ裸で彼女たちの近くまで歩いて行って寝ころんだ。
マリ達はやっぱり彼らの文句を言っていた。
彼らはマリ達が入っている湯船を見つけると、わざわざ逆側まで入ってきて声をかけたらしかった。
もっとも、女性側のサウナにも、カップルだか家族だかの男性が何人かいて、すでに裸を見られていたので、ある程度覚悟は出来ていたようだ。
問題はお互いの彼氏、つまり俺たちに会ってからどうするか、ということだったのだけれど、その前に彼らに会ったことで、もう気にならなくなったようだ。
その点は俺とTも同様だった。
その意味では彼らに感謝(?)するべきかもしれない。
共通の敵を持ったことで仲間意識が強くなり「この4人では見たり見られたりは仕方ない」という雰囲気になった。
要するに彼らに見せるよりマシということだ。
マリとヨウコは片手で胸を隠していたが、泡の中にヘアが薄っすらと見える状態で寝ころんでいた。
胸に置いた手も、こちらのほうが気になるくらいにいい加減なもので、二人とも今にも乳首が見えそうだった。
もっとも、胸を隠しているのは彼女たちぐらいのものだし、俺たちも含めて、段々と裸でいるのが当たり前のような気分になっていったのも事実だった。
ヨウコは時折身体をひねってうつ伏せになり、お尻を水面に浮かべたりした。
そのうちにマリも真似をして同じ姿勢になり、横の俺からは水の中のマリの乳首が丸見えになった。
慌てて俺はTの顔を見たが、まあもうしょうがないかと思ってほっておいた。
そのうちに二人とも胸を隠そうとするのをやめた。
今にも水面に出そうなくらいのところに、仰向けになったマリとヨウコの乳首が見えた。
俺とTはチラチラとそれらを眺めていたが、そのうちに目があってみんなクスクスと笑った。
ヨウコの乳首は胸のサイズ同様に、マリよりも一回り小さかった。
俺は下半身を隠すためにうつ伏せにならざるを得なかったのを覚えている。
しばらくするとマリが、さっきの奴らが来ると言った。
俺たちはみんなうつ伏せになって、気づかないふりをした。
奴らはそんな意図を無視してこちらにやってくると、なれなれしく声をかけ、仕方なく起きあがった俺の横に並んで座った。
マリ達はうつ伏せのままだったが、やがて我慢できずに、胸を隠しながら仰向けになった。
例の二人は、俺越しに遠慮無い視線をマリ達に向けていた。
やがてマリもヨウコも明らかに不機嫌になり、会話がギスギスしてきたけれども、彼らは立ち去ろうとしない。
もう全部回ったんだろうと、確認をしても帰らない。
会話が途切れてしばらくして、ようやく一人が出口の方へ向かった。
ところがヤツは出口側のヘリに背中をつけてこちらと向かい合うようにして場所を取り、こっちがいいと、わざとらしくもう一人を呼んだ。
明らかに彼らは俺達が立ち上がるまで帰らないつもりだった。
しかも、帰るためにはそこを通らざるを得ないというポイントを確保したのだった。
それを見て先にキレたのはヨウコだったと思う。
もっとも、俺が知っていたマリの性格からいって、ヨウコがキレなければ彼女のほうがキレていたはずだ。
二人とも真面目で温厚だったが、意志が強くてプライドも高かった。
彼女達は不愉快さを隠そうともせずに「移動する」と言った。
俺とTはどうやって出ようか考えようとしたが、彼女たちは見たければ見せてあげればいいよ、と言ってその場に立ち上がった。
膝ぐらいの深さの水面の上に、マリとヨウコの全裸の身体が露わになった。
このとき俺は思わずヨウコの方を見た。
スレンダーなヨウコだったが、胸は意外に大きかった。
アンダーヘアーは面積が広く、濡れてもフサフサとしていた。
一方、マリの身体もTに丸見えになったのもちょっとショックだった。
一応説明すると、マリの方は胸とヒップがヨウコよりも一回り大きめのグラマータイプだ。
ヨウコがファッションモデル系なら、マリは美術モデル系という感じだろうか、抜群のスタイルとは言わないが、奴らの目には惜しかった。
無意識に胸を隠そうとした腕が、そのままダラリとさがって俺たちに差し出されたのが印象的だった。
俺たちは慌てて立ち上がり、前に出て身体を盾にして出口に向かおうとしたのだけど、マリ達は平気で彼らの方を向くとそのまま歩き始めた。
もちろん胸も乳首もヘアも丸見えだ、奴らは食い入るような視線を向けてきたが、彼女たちは気にもとめないという風を装って出口に向かった。
すれ違うとき、彼らはなにか挨拶をしてきた。
俺たちは適当に流したが、最後にヨウコが「あまり日本人の評判を落とさないようにしましょうね、お互い」という意味のことを言って蔑むような視線を浴びせていた。
結局、俺たちはそのまま女性側のサウナ室まで戻って、彼らが帰るのを待った。
もちろん4人とも裸だし、もう隠すこともせずに堂々としていた。
実際、その方が気分がよかったし、あの場では普通だった。
俺とマリはヨウコの細身の身体を褒めていた。
Tはマリのオッパイがおおきくて良いと言い、マリも調子に乗って胸を張って見せると、大きな胸が小刻みに揺れた。
シャワーを浴びるときに、Tが温度の調節を失敗して、ヨウコが慌てて俺の方へ飛び退いた。
柔らかい胸の感触が背中に当たった。
彼女はゴメンと言ったけど、もちろん今でも覚えているぐらい感謝している。
それから奴らがいなくなったのを確認して、行き損ねていたプール(?)に行った。
水が冷たくて参ったけど、裸で泳ぐのは気持ちよかった。
俺たちが中にはいって、プールサイド(?)に腰掛けている二人を眺めたときには、二人ともアソコが丸見えだった。
ヨウコがやっているのを見てTがどうしても真似したそうなので、マリの胸の下のあたりを指でつつかせてあげたりもしたな。
今思い出すとこんなに興奮するのに、その時は下半身が反応することもなかったのは不思議だ。
ただ楽しくて、結局3時間以上いたんじゃないかな。
残念ながらそれ以上のことはなにもなく、そこを出た後でヨウコの裸をみたことは無い。
俺は卒業後しばらくしてマリと別れ、実家に帰って疎遠になってしまったTの結婚相手もヨウコではなかった。
「今度はヌーディストビーチだ!」なんてふざけながらアウトバーンを走った時代を思い出すと、何となく寂しくなって書きたいことが多くなりすぎた。
後半、記憶の断片をつなぎあわせたみたいで、読みにくいのも申し訳ない。
長々と読んでくれたひと、ありがとう。
さて、明日も仕事だ・・・。
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